新聞チラシ第1号

(表)

5月16日、わたしたち久米南町合併問題研究会は、明楽誠、漆間徳然、漆間宣隆、松岡秀和の代表4名が久米南町長 河島建一氏に面会し、合併問題に関する慎重審議を求める要望書を、賛同者有志296名の署名とともに提出しました。
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久米南町長 河島建一 殿


合併問題に対する慎重審議を求める要望書


 平素より久米南町発展のためご尽力頂いておりますことに、心から感謝いたします。
 さて、合併問題は、町民アンケートが実施され、5月25日には、合併に関する町民の意思を問う住民投票が行われることになりました。このような町当局の民意を重んじられる態度には、こころより敬意を表したいと思います。
 しかし、これまでの町当局が進められてきた合併に関する動きは、町内各地区や町民の意思よりも、町当局があらかじめ予定された久米南町と建部町の合併に対し、町民の賛同を得ようとする傾向が強いものであることは、町民の多くの方々がご承知のとおりです。
 その結果、現在にいたっても私たち町民の中には、町当局からのご提案に対し、なぜ建部町との合併を進められるのか、いまだそのご主旨が理解できないものが多数おりますし、合併問題が、わが郷土の産業・教育・文化などの発展と、どのように関わっているのかがはっきりせず、疑問や不安を抱く者も多数おります。
 さる新聞報道や町の広報誌では、町民の合併派の内約7割が建部町との合併に賛成と伝えられておりますが、5月1日に公表されたアンケート結果に関する資料を子細に見ると、例えば、誕生寺地区の場合、アンケート送付数が1269部、回答者数が711部、そして、この回答者の中で建部町との合併を望むものは249人です。つまり、誕生寺地区住民の内、建部町との合併を望む者は地区住民の5分の1弱、回答者中でも35%に過ぎません。このような事実は、町民の合併派の約7割が建部町との合併に賛成という表現からは知ることのできない重大問題です。
 アンケート回答者の内、建部町との合併を望む者を地区別に計算しますと、弓削地区(35%)、誕生寺地区(35%)、竜山地区(55%)、神目地区(56%)となります。この事実を見ると、いまだ町民の意思は、建部町との合併を望んでいるとは、とてもいえる状況ではありません。
 合併は、財政問題だけではなく、町民の暮らしと政治・行政との結びつき方(すなわち住民自治)・教育・文化・産業など、多方面に影響が大きく、また、町内各地区において、問題の捉え方が異なるのも当然です。しかし、現在の各地区住民の上記のような意向のまま、町当局が建部町との合併を推進されるならば、町当局に対する町民の不信感が高まるでしょうし、合併が強行されれば、これまで長年にわたり郷土の先輩たちが苦労して築いてきた町民としての一体感が失われてしまい、町長が提唱される我が町の中山間型の未来展望も、足下から崩れてしまうでしょう。
 この度の合併問題は、戦後間もない頃の合併とは状況が異なり、しっかりと町民の理解と納得に基づいた方法で協議が進められなければ、地方自治の本旨にもとることとなります。
 どうか、町長をはじめ町当局の方々におかれましては、住民アンケートが示す現実を直視され、また、住民投票の結果も考慮されながら、十分に町民の意向を尊重され、各地区の町民が納得する、我が久米南町の将来にとって最善策を慎重に選択されますよう、衷心より要望いたします。


      平成15年5月16日
久米南町合併問題研究会 会長 明楽誠


賛同者有志の一部紹介 (敬称略)


漆間徳然、漆間宣隆、志部迪夫、桑元謙芳、松岡安幸、水島くるみ、高垣泰一、近藤日出海、長谷川教敏、河原尚文、佐藤昭三、赤木晴美、他


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久米南町合併問題研究会会則


第1条〔名称〕本会は久米南町合併問題研究会と称す。
第2条目的〕本会は、町民として自主的に合併問題を研究し、郷土発展の見地から民意に基づく合併問題への処し方を検討し、関係機関への提言や啓発活動を行う。
第3条会員〕本会の目的に賛同する町民をもって会員とする。
第4条機関〕本会の目的を達成するため、会員の互選により会長1名、幹事若干名、書記若干名を置く。
第5条経費〕活動に必要な経費は、会員および協力者の義金をもってあてる。
第6条会員の自由〕本会は、特定の運動団体や政治運動からは自由な立場で研究協議を行うものであり、職業や立場の如何を問わず誰でも参加できる研究会運営に心掛ける。
付則、本会則は、平成15年5月3日より施行する。


(裏)

町民が判らないまま合併なの?

 先般の意向調査に続き、25日には住民投票が行われることになりました。わたしたち久米南町民は、「津山市を中心とした合併」「久米郡で合併」「建部町と合併」「合併しない」の4つの選択肢から、将来の我が町の発展にとって最も好ましいと思われる1つを選ぶことになっています。しかし、わたしたち町民の多くは、いまでもどれを選択したらよいのかよく判らないというのが実状です。今回の合併論議は、国のぼうだいな財政赤字を減らす手段として、突然、中央政府から提起されたものですから、わたしたちにピンとこないのももっともなことです。それでも、わたしたちは判らなくても4つの選択肢から1つを選ばなくてはならないのですから、ちょっと困ったものです。そこで、わたしたちは、遅ればせながら合併問題研究会を発足させ、5月16日には町長に要望書も提出しました。

1.一般町民には判らない 町当局が作成した「住民投票参考資料」の内容は、ほとんどが財政に関するものですが、一般町民は、このような資料を見ても、合併に関する4つの選択肢のうち、どれを選択したらよいのか判りません。合併問題は久米南町民の暮らしに関わる大問題です。なぜ、町民が判らないまま、町当局は合併を急ぐのでしょうか。
 久米南町は、戦後、50年かけて先輩たちが苦労しながら築き上げてきた立派な町です。合併特例債という目先の餌につられて軽々しく合併に走るようでは、合併の結果生じる事態に、誰が責任を取るのでしょうか。合併問題も、これから久米南町を、産業・教育・福祉・文化などの面でどのように発展させるのかというビジョン(未来図)との関係で、自治の主人公である町民自らが主体となり、慎重に検討するというのが正しいすじ道でしょう。

2.今が婚期? 先般のアンケート結果をよく見ると、回答者のうち建部町との合併に賛同しているのは、神目地区では56%、竜山地区では55%ですが、誕生寺地区と弓削地区ではともに35%にすぎません。町内各地区での温度差ははっきりしています。また、賛同された方々の中でも、実際にはよく判らないという実感を持っている人も多いでしょう。つまり、誕生寺や弓削地区住民の多くは、建部町との合併には反対なのです。こんな状態で結婚して本当に大丈夫なのでしょうか?

3.急がば回れ わたしたちの会は、会として選択肢の1つを選ぼうというのではありません。多くの町民が判らないといっているのに、行政主導で、ずるずると合併準備が進んでいることを大変心配しています。自治の主人公は町民自身です。行政主導の合併論は本末転倒です。
 まず合併ありき、ではなくて、この度の合併論議を契機として、50年もかけて作り上げてきたこの美作と備前の境目に位置する久米南町を、これからどんな町にしたいのか、わたしたち町民一人一人が仕事や暮らしの観点から、もっと活発に語り合うことから始めたらどうでしょう。周辺のあわただしい状況に動揺しないで、堅実な道を歩むのが久米南人の知恵だと思います。

4.本会の目的 わたしたちは、住民投票がどのような結果になろうと、町民として自主的に合併問題を研究し、郷土発展の見地から民意に基づく合併問題への処し方を、引き続き検討していきます。