与那国島 3

祖内(そない)部落に隣接する浦野墓地群

東崎と同じくらい、僕が訪れてみたかったのが、祖内部落に隣接する、ここ浦野墓地群だ。僕は、事前学習として、原知章さんの『民俗文化の現在 沖縄・与那国島の「民俗」へのまなざし』(同成社、2000)を読んでいたからだ。

死者が自然へと帰る場所として、この墓地群は、いまのところ美しい景観を維持している。

しかし、亀甲墓の後ろには大量のテトラポットが並べられている。この浦野の美しい海岸線に、これらコンクリートの物体が並べられようとしている。

墓地群の西の端には、かつてはナンタ浜へ続いていたリーフ(珊瑚礁)がある。いまは、港建造工事によって、道路や埠頭で遮られている。ぼくは、この場所が気に入り、12日にも、13日にも、そして帰る日の14日にも、毎日1時間くらい一人で泳いだ。他に泳ぐ人はいなかったけれど、ここには美しい魚たちがたくさんいて、ぼくの相手をしてくれた。この墓地の前の海が、ぼくにとって一番心が落ち着く場所だった。

帰る時、ここの小さな浜で白いサンゴの石ころをたくさん拾って、友人や家族へのおみやげとして持ち帰った。

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